育休経験者の言葉が心の支え
周囲「頼る」ことで仕事と両立

産休・育休取得中のグループ従業員による座談会を昨年実施したところ、さまざまな悩み、不安が共有されました。(ALL for ONE Vol.31に掲載)特に第1子を出産した直後の人たちは、慣れない子育てに日々追われながらの復帰を前に、仕事との両立に大きな不安を抱いていることがうかがえました。そこで今回のALL for ONEでは、昨年座談会にも出席したオハヨー乳業の塚原さんと、子育て奮闘中の男性を代表して日本カバヤ・オハヨーホールディングスの大森さんに、子育てと仕事の両立について本音で語ってもらいました。

―早速ですが、まずはそれぞれの自己紹介からお願いします。

塚原 入社10年目ですが、もともとはカバヤ食品に入社し、4年目でオハヨー乳業に転籍しました。入社以来営業一筋。2歳4カ月になる男の子がいます。地元は栃木県で、大学は岡山の環太平洋大学。学生時代にカバヤのお菓子をよく食べており「幸せをもらった会社に入りたい」という感覚で志望しました。
2年弱の産・育休を経て、昨年4月に得意先を持たない支店のサポート業務で復帰しましたが、現在は3つのチェーンと問屋を担当しています。

大森 岡山県出身で入社14年目。地元で慣れ親しんだオハヨー乳業に入社し、関東工場でカップコーヒーなどの製造に携わり、その後、本社人事部、東京への異動を経て昨年7月にホールディングスへ転籍になりました。子どもは2歳9カ月の男の子です。

「仕事中心」から「子ども中心」へ

―育児と仕事を両立するうえでどんなことが大変ですか。

大森 以前は仕事を自宅に持ち帰ることもあったのですが、今は帰宅すると子どもが中心。生まれて間もない頃は夜泣きで何回も起きてミルクを与えなければならない状態で、自分の都合だけでは動けなくなりました。

―それに対し何か工夫していることは。

大森 現状は日々を乗り切ることで精いっぱいですが、妻が子どもを寝かしつけている間に洗い物や風呂掃除、保育園の準備など、役割を分担しています。妻にフォローしてもらうことも多く、よく怒られますが…。ただでさえ妻に負担がかかっているので氣付いたことを極力するようにしています。

やってダメなら相談する

塚原 復帰前にALL for ONEで同じような境遇の方々との座談会に参加し、「(困ったら)周りを頼ったほうがいい」とアドバイスしてもらい、「自分なりにやってみて、ダメなら相談しよう」というスタンスで復帰できました。
2年近くずっと家にいて、「決まった時間にご飯を食べさせなきゃ」「毎日散歩に連れていこう」と、初めての出産で子どもと1対1で過ごすのが結構ストレスに感じていました。夫は夜帰ってきても疲れていてあまり話を聞いてくれない。食事も子どもが寝ている間に急いで食べるような状態で、外回りの途中に1人で食事すると「ご飯ってこんなにおいしかったんだ」と感じるなど、今は仕事をできることがうれしくて仕方ありません。

―復帰して何をやりたいと思っていましたか。

塚原 ブランクに加えて子育てもあるので上司に相談し、慣れるまで支店のサポート業務を担当していましたが、サポートだと自分の考えでやれる範囲が限られ、しばらくすると自分の中の“モヤモヤ”が大きくなってしまいました。
産休・育休を経験した先輩に相談すると、「やりたいなら絶対に言った方がイイ」とアドバイスしていただき、週に1度の支店長を含む3者ミーティングで思い切って相談しました。小さい子供がおり、時短勤務で得意先を持つのは私が初めてで、前例がなく不安でしたが、上司から「何かあればその都度相談していこう」と言ってもらい、昨年8月から得意先を担当しました。

「子どもが急に保育園を休むかもしれない」「時短勤務でどこまでできるのか」と不安はありましたが、得意先とのアポイントメントは上司と共有し、急な休みには代わってもらえる体制を整えるなど、互いに「これなら大丈夫」というところまですり合わせて始動でき、とてもありがたかったですね。

悩むことを楽しむ

―実際に得意先を担当するようになりいかがですか 。

塚原 正直大変ですが、自分主導でやれているので、「仕事をしているな」という感覚は強くなっており、「悩むことを楽しむ」ようにしたいと思っています。アポを取りながら、子どもの急な発熱等で相手に迷惑をかけるかもと心配でしたが、比較的融通の利く夫のスケジュールも事前に確認するよう工夫しています。
最初は1人でため込んでしまいましたが、どうにもならないことは結構あります。子どもも仕事も大切にしたいのであれば、嘘をつかないというか、自分がやりたいことを周囲にきちんと伝えて、どうするかを考えた方がいいと思っています。

―大森さんは子どもが産まれた後、ぶち当たった壁をどう乗り越えたのか、また意識の変化はありましたか。

大森 塚原さんともかぶりますが、共働きなので残業が当たり前ではなくなったことや、急な出張が入った時も妻の予定を確認して調整しなければならず、働き方は随分変わりました。保育園に子どもを迎えに行くため定時に退社すると、「(会社に)あまり貢献できていないんじゃないか」と感じ、うしろめたさを感じてしまいます。共働きで、お互い地元を離れており、頼れる人がいない中での子育てのため、家庭内で調整したり、会社の人にしっかり説明して理解してもらうしかありません。周りの方々の支えがあって今の生活が成り立っていると思うので、感謝の氣持ちだけは、絶対に忘れてはいけないと思っています。

―奥さんや子どもと接するとき、何か意識して心掛けていることはありますか。

大森 日常が大変な分、以前より家族旅行は増えました。子どもに対しても、普段は仕事に追われてあまりかまってやれていないので、出掛けるときは、仕事のことは忘れてしっかり向き合うように意識しています。
また、平日の子どもの迎えや食事はほぼ妻に任せっきりなので、休日は妻がリフレッシュできるようやりたいことを家族3人でやっています。

塚原 私も以前は仕事のことを家でも引きずり、つい子どもにきつく当たってしまうこともありました。今は休日に急ぎの仕事があるときなどは、夫に正直に話し、半日だけ子どもを外に連れて行ってもらい、その間集中して仕事をこなし、すっきりさせて午後は家族で遊ぶなど、仕事と子どもの世話にメリハリをつけるようにしています。

モノの見方変える育休

―今後グループがより働きやすい会社になるために、何か意見はありますか。

大森 育児は女性だけでなく、夫婦でやるモノだと思います。当事者だけでなく、周囲も含めてそういった理解が進めば、本当の意味で働きやすい、誰もが活躍できる職場になると思います。子育てを通じてモノの見方、考え方の幅がすごく広がったと感じています。

塚原 同じチームであってもほかの人を助ける余裕がない部署が多いと感じます。パパ&ママだけでなく、時間的制約がある人たちに対して、サポート体制が作れることが当たり前になるといいですね。

―今後、産休・育休を取得する従業員へのメッセージをお願いします。

塚原 いろいろ壁はあると思いますが、自分で勝手にできないと判断せずに、どんどん声をあげてやりたいことに挑戦してほしいですね。

大森 いろんなことを抱え込まないことかなと。すぐには解決に繋がらないかもしれませんが、心の健康のためにも吐き出して、仲間と共有したほうがいいと思います。置かれた状況は人それぞれ違いますし、まずは自分の状況を理解してもらう。これは自分に向けてのメッセージでもあります。会社でこういう話をする機会ってあまりなかったので、きょうは肩の荷が少し下りた氣がします。

塚原 やっぱり周りに相談できる人がいるのといないのとでは全然違います。前回の座談会で悩みや不安を共有し、皆さんに背中を押してもらえたことが私にとっては本当に大きかったですね。6月に第二子を出産予定ですが、いずれは自分が同じように悩んでいる人の力になりたいです。

―同じ悩みを共有するだけでもいいし、それを乗り越えた人の話を聞くのも参考になるはずです。これからもいろいろなことがあると思いますが、いつでも話し相手になりますので頑張っていきましょう。きょうはありがとうございました。 

ご主人からのメッセージ(塚原さん)

毎日仕事をしながらも、子供のこと、家のことたくさんやってくれてありがとう。
いつも直接伝えられていないけど感謝しています。
もう少し負担を減らせるように頑張ります。これからも宜しく。

奥さまからのメッセージ(大森君)

あなたは私の1番の良き理解者です。互いの仕事上の苦悩や苦労を1番近くで想像しつつも、家庭に帰れば家事と育児、残った業務に追われ、互いに思いやりが空回りして擦り減る事もありますが、今日まで家族の笑顔と成長を守り続けてこられたのもパパのお陰です。私たち自身が歳を重ねてもこの経験を忘れずに、若い人たちの良き理解者でいよう。

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