受賞が自己肯定の機会に
困っている人を助けたい

ライフデザイン・カバヤ(LDK)は、企業の経営に不可欠な存在でありながら、業務の成果が数字に結びつきにくい設計、コーディネーター、総務などのスタッフ部門にもスポットライトが当たる企業文化を構築しようと、2021年に「スタッフ表彰」制度を創設。そのうち、入社2年目の若手社員の中から選出されるのが「Rookie of the year(ルーキーオブザイヤー)」だ。その第1号に輝いた総務部業務課の紙田奈央子=2020年入社=に、受賞の喜びと仕事への向き合い方などを聞いた。

彼女が所属する業務課は、営業のサポート役として契約書の作成、予約から引き渡しまでの管理など、すべての案件に携わり、「販売実績のない人を除き、すべての営業担当者と一度は話したことがある(笑)」という、言わば住宅会社の「心臓部」のようなポジション。日々の業務は多忙を極めるが、それとは裏腹に、本人の仕事に対する手応えは必ずしもはかばかしいものではなかったという。

ミスなくできて当たり前

「自分では毎日一生懸命仕事をしていても、みんなの役に立っていることを実感できることが少なく、ミスなくできて当たり前の部署」というのがその理由だ。しかし、ルーキーオブザイヤーに選ばれたことで「みんなに『おめでとう』と言ってもらい、よく悩みを聞いてくれていた先輩は涙を流して喜んでくれた。ああ、自分もみんなの役に立っている。一緒に仕事ができている」と実感した。入社から1年半、受賞の知らせは彼女にとって、LDK社員としての自分をようやく自己肯定できた瞬間でもあった。

総務には「いろんな人からの“助けて”が寄せられる」という。「駐車場の車移動」「溝に落とした車の鍵を一緒に拾って」「飲み会でマフラーを忘れたがどうすればいいか」…。彼女いわく、本来は「自分のことしか考えない」タイプで、「どこからどこまでが自分の仕事なのか」という戸惑いも正直あったそうなのだが、「私も自分の失敗で営業に迷惑をかけてしまったことがあるが、だれ1人怒ることなくフォローしてくれた。『私の約束』にある通り、困っている人がいればできるだけのことをしよう」と意識が徐々に変化。日ごろからコミュニケーションに気を配り、今では本社勤務従業員の顔と名前はすべて把握している。

オリジナル教科書を作成

業務の面では、ミスを契機に確認作業を一層徹底するようになった。「何度も先輩に同じことを聞くわけにはいかない」と、常に2種類のメモを手元に置き、1つのメモには上司や先輩から言われたことをすぐに書き残し、時間のあるときにもう1つのメモに清書してオリジナルの教科書を作成。今では営業から提出された書類の内容を自分なりに精査し、間違いが見つかればもちろんだが、気になるところがあれば能動的にアクションを起こす。流れ作業ではなく、書類を通じて営業、さらにその先の顧客とコミュニケーションを取れるところまで成長した証ということだろう。

こうした努力を通じて周囲の信頼を勝ち取った彼女の存在感をうかがわせるエピソードを紹介する。先日、初対面の新人が彼女を訪ねてきたそうで、理由を聞くと「分からないことがあれば本社の紙田さんに聞くよう先輩に言われた」。このコメントに対し「うれしかった」と飛び切りの笑顔で語る紙田からは、「総務みょうりに尽きる」という心の声が聞こえるかのようだった。

「入社当時の席は役員室の目の前で、来客もひっきりなしで緊張したが、今なら平然としていられると思うし、見方を変えればすごく勉強になった。どうせなら楽しく仕事をしたいし、自分の持ち味のフットワークの良さを忘れず、みんなと一緒にLDKを盛り上げたいし、自分自身も成長したい」とさらなる飛躍を期す。

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