産休や育休で長期間職場を離れると、復帰にあたってはさまざまな不安を抱くのではないでしょうか。仕事と育児は両立できるのか、周囲の理解はどうか。会社の制度や福利厚生はどうなっているのか…と挙げればきりがありません。そこで今回のALL for ONEでは、産休・育休取得前、及び取得中の従業員による座談会を初めて企画しました。同じような環境にある者同士が語り合うことでモヤモヤとした不安を和らげるとともに、グループの産休・育休に対する考え方を広く発信し、迎え入れる側の従業員にも理解を深めてもらうのが目的です。2回に分けて10人が参加。育休取得経験者も交え繰り広げられた、にぎやかな本音トークをダイジェストでお届けします。

◆仕事と育児の両立
子どもとの時間を優先
情報共有により理解得る

産休・育休からの復帰を考える上で、出席者の共通かつ最大の悩みは「仕事と育児の両立」。第1子の場合は初めての経験への戸惑い、第2子・第3子の場合は経験があるものの、育児の負担はそれまでより大きくなり「今でも1日があっという間。これに仕事が加わると一体どうすればいいのか…」と不安は尽きません。
幼少期の子どもは体調を崩すことも多く、保育園からの呼び出しで急遽早退せざるを得なくなり、同僚に負担をかけてしまうことを心苦しく感じている人や、「長期間休むことへの罪悪感」から育休を早々に切り上げ復帰した経験者もいました。

また、夫婦ともにシフト勤務という参加者は「家族の時間がまったくとれず、上の子が小学校1年生の夏休みが終わったところで退職を考えた」そうですが、「自分が同じ立場になったら助けてください」という後輩の言葉に救われ、仕事と子育ての両立に奮闘中。事業会社や部署によっては産休・育休の取得事例がまだ少なく、それが「相談できる先輩がいない」という心細さにつながっている面もありそうですが、だからこそ「自分が後輩のためにも頑張ろう」というパイオニアとしての決意が感じられました。同じ立場を経験した先輩社員からは、1人で抱えず情報共有により周囲の理解を得ることや、「手を差し伸べてくれる人がいれば甘えればいい」「自分たちも誰かを助ける側になる時期がいつか来る」というアドバイス、時間の捻出については、「家事より育児を優先。部屋が散らかっていても子どもは死なない。夕食は頻繁にUber Eats(ウーバーイーツ)に頼るが、罪悪感を覚える必要はなく、子どもと笑顔で過ごす時間を捻出できた、と前向きに捉えることにしている」「可能な時は半日でも有休を取らせてもらい、溜まった家事をこなす時間にしている」という経験談もありました。

◆営業職への復帰
スケジュールの効率化工夫
仕事にどう折り合いつける

女性の多様な働き方が広がり、各事業会社で育休明けに営業職として復帰するケースが出始めています。1人目の出産後に経験済みの参加者からは「外回りと内勤の日をはっきり分けて、効率的にスケジュールを組む」など、外出が多い営業職ならではのやり繰りを模索する報告もありましたが、初めての育休明けを控える立場では「営業の仕事はどこまでやるか自分次第。私は納得いくまで時間をかけて提案資料を準備するタイプで、うまく割り切って子育てと両立できるのか…」と仕事との向き合い方への不安が大きいようでした。

また、産休・育休の間に上司を含むメンバーの顔触れが大幅に変わると人間関係も改めて構築する必要があり、「ゆっくりスタートしたい気持ちはあるけど、それを伝えると『やる気がない』と思われてしまわないかという不安もある」。こうした不安に対し、同じ立場を経験した先輩社員からは「時間制約がある中では、見えるものと手の届くものは違い、自分の中で折り合いをつけるしかないが、譲れないところは譲れないでいい。人間関係は徐々に構築できるはずで、あまり考え込まず『なるようになる』くらいでいいんじゃないかな」というアドバイスがありました。

スムーズな復帰を実現する上で、職場の人間関係は重要なポイント。だからこそ、休業中の会社との「繋がり方」はさらに検討する必要がありそうで、出席者の1人から「あまり頻繁に連絡があると“重い”と感じてしまうけど、LINEやZoomといったツールを活用すれば負担なく情報共有できるのでは」という指摘もありました。

◆働きやすい職場を目指して
時短や育休、弾力運用期待
求められる「多様な選択肢」

制度面について、多くの出席者から育休や時短勤務制度の柔軟な運用を求める発言が目立ちました。特に「保育園の待機児童が多く、1年たっても入園できない」など、保育園がらみは本人の努力ではどうにもならない面もあり、妊娠期の体調や不妊治療時の通院などに対応しやすい職場環境づくりの観点からも制度充実の期待が大きく、関連して「復帰後に使える制度を知りたい」「時短勤務時の給与がはっきりしない」「‟子の看護休暇”の存在を上司が知らず、取得の際に気まずい思いをした」など、出産・育児に関連する制度や規則の周知徹底、ベビーシッター利用の補助制度創設や男性の育休取得奨励などに関する要望・提言もありました。

子どもという理由でなくとも、いろいろな価値観や生き方を尊重できるような「多様な選択肢が欲しい」という意見も寄せられました。

「上手に年齢重ねる」を支援
産休・育休期間は成長の時間

古川公美
日本カバヤ・オハヨーホールディングス
執行役員人事戦略室長

グループとして発信していきたいのは「健康経営」であり、健康であることの要素として「自分らしく、しなやかに年齢を重ねていく」ことに重きを置くつもりです。

人は、生まれてから死ぬまでの時間軸の中でさまざまな「変化」を経験します。特に女性にとっては、その「変化」が直接的に心身や環境に影響することが多い。子どもを産み育てることは豊かで、楽しいことのはずなのに1人で抱えてしまい、肉体的にも精神的にも大変な状態になりがち。皆さんの生の声を聞き取りながら、周囲の協力が得やすい状況を会社として設計していこうと考えています。

日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループでは、産休・育休はキャリアの中断ではなく、むしろライフキャリアという点においては仕事以上に自分自身が成長する時間として取り扱うと決めています。復帰のプロセスも今は一律的ですが、個別対応できるような弾力性を持たせる方針です。

参加者

産休・育休取得前及び取得中従業員

オハヨー乳業
田村真依(総務企画推進部)
橋本理早(東京支店営業二課)
肥越佐知子(品質管理部品質管理課)
邉田香苗(品質管理部関東品質管理課)

カバヤ食品
吉貝美里(東京支店営業四課静岡地区駐在)

ライフデザイン・カバヤ
石川さつき(インテリア部広島支店)
川西章子(人事部)
住宅奈津美(インテリア部倉敷支店)

ライフパートナーイケダ
高橋真彩子(高槻店)

オハヨーバイオテクノロジーズ
坂本亜紀子(ブランドソリューション課)

産休・育休からの復帰経験者

カバヤ食品
長尾沙和(大阪支店営業三課)

ライフデザイン・カバヤ
塩見涼子(総務部岡山支店)

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